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船橋市の住宅に多い「モルタル外壁」の特徴とメンテナンス方法

2025.12.25

船橋市の住宅に多い「モルタル外壁」の特徴とメンテナンス方法

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千葉県船橋市周辺では、落ち着いた風合いの趣ある「モルタル外壁」のお住まいを多く見かけます。モルタル外壁はデザイン性が高く、日本のお住まいに長く採用されてきた素材ですが、その一方で定期的なメンテナンスを怠ると、建物の寿命を大きく左右してしまう繊細な側面も持っています。
「うちはモルタル壁だけど、いつ塗り替えればいいの?」
「サイディングに変えたほうがいい?」
といった疑問をお持ちの方に向けて、本記事ではモルタル外壁の特徴とメンテナンス方法を徹底解説します。

モルタル外壁とは?その構造と仕上げの種類

モルタルとは、砂とセメントを水で練り合わせた材料のことです。これを職人がコテや吹き付け機を使って、現場で塗り上げていくのがモルタル外壁です。

モルタル外壁の基本的な構造

モルタル外壁は、単にセメントを塗っているだけではありません。一般的には以下のような多層構造になっています。
・下地(防水紙・ラス網)
木造の骨組みに防水紙を貼り、その上に「ラス」と呼ばれる金属製の網を固定します。
・モルタル層
ラス網に絡めるようにモルタルを数回に分けて塗り重ねます。
・仕上げ層(塗装)
モルタル自体には防水性がないため、表面に塗料を塗って防水性能を持たせます。この「表面の塗装」が、建物を雨水から守る重要なバリアの役割を果たしています。

モルタル外壁の代表的な仕上げ方法

モルタル外壁は、表面の仕上げ方法によって見た目や機能が変わります。ご自宅がどのタイプかチェックしてみてください。

リシン仕上げ

細かく砕いた石や樹脂を混ぜた塗料を吹き付けて仕上げる方法です。ザラザラとした質感が特徴で、落ち着いた艶消しの風合いになります。
かつては非常に一般的でしたが、表面が凸凹しているため汚れが溜まりやすく、ひび割れが目立ちやすいという面もあります。

スタッコ仕上げ

リシンよりも厚みがあり、よりゴツゴツとした高級感のある仕上げです。
リシンより耐久性は高い傾向がありますが、やはり汚れがつきやすく定期的なメンテナンスが必須です。

吹き付けタイル仕上げ

合成樹脂などの塗料を吹き付け、その後にローラーで押さえたりして、滑らかな模様を作る仕上げです。
リシンやスタッコに比べると表面が滑らかで汚れが付着しにくく、塗り替えの際もスムーズに塗料が乗ります。

意匠性塗材(ジョリパット)

ここ20年ほど人気を集めた仕上げとして「意匠性塗材」があります。代表的なものがアイカ工業の「ジョリパット」です。
弾性樹脂を主成分とし、コテやローラーを使って、扇型やボーダーなど自由な模様をつけられます。デザイン性が非常に高い一方で、職人の技術によって仕上がりが左右されます。

モルタル外壁のメリット・デメリット

メンテナンスを考える上で、モルタル外壁の特性およびメリット・デメリットを知ることは重要です。

モルタル外壁のメリット

・デザインの自由度
継ぎ目(目地)がないため、家全体に一体感が生まれます。複雑な形状の建物にも対応でき、職人の技術を活かした一点ものの外壁になります。
・高い防火性
セメントが主成分のため、非常に火に強いのが特徴です。その特徴ゆえに、市街地の密集地では多く採用されてきた経緯があります。
・高い耐久性(素材自体)
適切なメンテナンスさえ行えば、モルタル層自体は数十年単位で持たせることが可能です。

モルタル外壁のデメリット

・ひび割れ(クラック)が発生しやすい
モルタル外壁は継ぎ目の無い大きな面を構成するため、乾燥収縮や地震時の揺れによる動きの逃げ場が無く、ひび割れ(クラック)が生じやすいという性質があります。
・防水性能を塗装に依存している
モルタルそのものは水を吸収しやすいため、表面の塗膜が劣化すると急激に外壁全体の劣化が進みます。
・汚れやカビ・苔が発生しやすい
凹凸のある仕上げが多く湿気が溜まりやすいため、日当たりの悪い北側の壁などにカビや苔が発生しやすいデメリットがあります。

モルタル外壁で注意すべき劣化症状

「そろそろメンテナンスが必要かな?」と感じたら、まずはご自身で外壁の様子を確認してみてください。以下のような症状が出ている場合、外壁のメンテナンス時期です。

カビ・苔・藻の発生

日当たりの悪い北面や、風通しの悪い場所に緑色や黒色のカビや苔が発生することがあります。モルタルの防水性が落ち、常に湿気を含んでいる状態ですので、早期に除去し再発対策をすることをおすすめします。

チョーキング

壁を指で触ったとき、白い粉がつくことはありませんか?これは「チョーキング」と呼ばれる現象で、太陽の紫外線によって塗料の成分が分解されている証拠です。防水性能が低下し始めている初期サインですので、塗り替えの検討時期といえます。

クラック(ひび割れ)

モルタル外壁で最も多い悩みが「ひび割れ」です。これには大きく分けて2つの種類があります。
ヘアクラック
幅0.3mm以下の細いひび割れです。すぐに雨漏りにつながるわけではありませんが、放置するとひび割れの幅が広がっていきます。
構造クラック
一般的に幅0.3mm以上の深いひび割れを指します。ここから雨水がモルタル層の奥、さらには下地の木材まで侵入する危険があるため、早急な補修が必要です。

塗膜の剥がれ・浮き

塗装が剥がれていたり浮いている場所がある場合、下地との密着が失われている証拠です。この状態では外壁を守る機能がゼロに等しいため、早期のリフォームが必要な段階です。

モルタル外壁のメンテナンス時期

モルタル外壁に先述の症状が見られたら、早期に専門工事業者に点検をしてもらいましょう。ただし、一般の方が気付かなくてもプロの目で見れば劣化が進行しているケースもあります。
早期の手当をすることが、結果的に外壁リフォームの費用を抑えることにつながりますので、ここでご紹介するタイミングを目安に専門工事業者に点検を依頼することをおすすめします。

築10年が最初のチェックポイント

一般的に、新築から10年前後が最初の塗り替えの目安です。たとえ見た目が綺麗に見えても、塗料の寿命(耐用年数)が切れていることが多く、このタイミングでメンテナンスを行うことで、将来的な大規模修繕コストを抑えることができます。

築20年以上経過している場合のリスク

築20年以上、一度もメンテナンスをしていない、あるいは前回の塗装から10年以上経っている場合は注意が必要です。
目に見えない部分で防水紙が傷んでいたり、ラス網が錆びていたりと、壁の内部が腐食している可能性があります。この場合、単なる「塗り替え」では済まず、壁を解体してやり直す高額な工事が必要になるケースもあります。

モルタル外壁の主なリフォーム方法

モルタル外壁のリフォームは、大きく分けて以下の3つのパターンが考えられます。外壁の劣化具合に合わせて最適な工法を選ぶことが大切です。

外壁塗装

ひび割れなどの劣化箇所を部分補修し、その上から新しく塗装を行う方法です。
モルタル外壁の場合、ひび割れに追従する「弾性塗料」を使用するのが一般的です。ゴムのように伸びる性質を持つため、再び小さなひびが発生しても塗膜が破れず、水の侵入を防いでくれます。

外壁カバー工法

「見た目をガラッと変えたい」という方におすすめなのが、現在の壁の上から新しい金属製サイディングなどを貼り付ける「カバー工法」です。
断熱性や遮音性が向上し、メンテナンスの手間も軽減されます。モルタル特有のひび割れリスクから解放されるため、築20年〜30年のお客様に非常に人気のリフォームです。

外壁張り替え

既存のモルタルをすべて剥がし、新しいサイディングやモルタルを施工します。下地の腐食が激しい場合には、この方法しか選べないこともあります。最もコストはかかりますが、新築時と同等、あるいはそれ以上の耐久性を取り戻すことができます。

まとめ|モルタル外壁はプロによる劣化診断をおすすめ

モルタル外壁は、適切に手をかけてあげれば、非常に長く家を守ってくれる素晴らしい素材です。しかし、メンテナンスのタイミングを逃すと高額なリフォーム費用が掛かる可能性があるため注意が必要です。
「ひび割れが気になる」「汚れが目立ってきた」
そんな些細なサインを見逃さず、一度専門家に診断を依頼してみませんか?
私たちオーネストリフォームは、船橋市・八千代市・習志野市を中心に、数多くのモルタル外壁の施工実績を持っています。
地域の気候特性を知り尽くしているからこそ、数年先まで見据えた最適な塗料や工法のご提案が可能です。
お客様の「安心」と「笑顔」のために、誠実(Honest)にお応えすることをお約束します。