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コラム内容
冬の凍結や結露による外壁劣化を防ぐメンテナンス術
2025.11.26

本格的な冬を迎え、朝晩の冷え込みが厳しくなってきました。寒い季節になると「外壁」が悲鳴を上げていることをご存知でしょうか?
「我が家は豪雪地帯ではないから、凍結なんて関係ない」
そう思われているお客様も多いかもしれません。しかし関東近郊のエリアでも、冬特有の「凍結」や「結露」による外壁劣化は静かに、しかし確実に進行しています。
特に築20年を超えたお住まいでは、見た目以上に防水機能が低下していることが多く、この冬の寒さが致命的なダメージの引き金になることもあります。
今回は、寒冷地特有の問題と思われがちな「凍害」や「結露」がなぜ起こるのか、そしてそれらを防ぐための適切なメンテナンス術について、外装リフォームのプロの視点から詳しく解説します。
冬に外壁劣化が進行する理由とは?寒さが招くリスク
冬は「外壁の状態を確認すべき最も重要な季節」でもあります。なぜなら、気温の低下と湿度の変化が、建材に対して過酷な環境を作り出すからです。
気温差による建材の収縮と膨張
住宅のサイディング(外壁材)や屋根材、そしてそれらを守る塗膜(ペンキの膜)は温度によって体積が変わります。
日中、冬の陽だまりで温められた外壁はわずかに膨張し、夜間の冷え込みで収縮します。この繰り返しは、柔軟性を失った古い塗膜にとっては大きなストレスです。特に築10年〜20年が経過し硬化した塗膜は、この動きに追従できずに「ひび割れ(クラック)」を起こしやすくなります。このひび割れが劣化の入り口となります。
冬の外壁劣化を招く水分の浸入
冬の外壁劣化において最も警戒すべきなのが「水分」の浸入です。
雨や雪、霜によって外壁表面に水分が付着するだけでなく、ひび割れから内部に水が浸透してしまいます。夏場であれば蒸発して乾く水分も、冬場は気温が低くなかなか乾きません。
外壁材の中に長時間水分が留まること、そして気温が氷点下近くまで下がること。この2つの条件が揃うことで発生するのが、次項で解説する「凍害」です。
寒冷地だけじゃない!凍害のリスク
「凍害(とうがい)」という言葉を聞いたことはありますか?
これは、外壁材に染み込んだ水分が凍結と融解を繰り返すことで、外壁材自体がボロボロに破壊されてしまう現象です。
水が氷になるときの「膨張」が外壁を破壊する
水は氷になると、体積が約9%膨張します。もし、外壁のサイディングボードやセメント、タイルなどの内部に雨水が染み込んでいたらどうなるでしょうか?
夜間の冷え込みで内部の水が凍ると、内側から外壁材を押し広げる強い力が働きます。そして昼間に溶けて水に戻り、また夜に凍ります。この膨張と収縮の繰り返し(凍結融解サイクル)が、外壁材を内側から破壊していくのです。
船橋市・八千代市・習志野市でも凍害は起こる?
「でも、ここは北海道じゃないし…」と油断は禁物です。
千葉県北西部エリアでも、冬場の明け方には気温が0度近く、あるいは氷点下になることがあります。
外壁の表面温度は、放射冷却の影響で気温よりもさらに低くなることがあります。特に北面の壁や風通しの悪い場所など、湿気が多く日が当たりにくい場所では、わずかな水分でも凍結するリスクがあります。
窯業系サイディングやALCは、吸水性が高い素材です。塗装による防水膜が切れていると、スポンジのように水を吸い込み、関東地方の冬でも十分に凍害を引き起こす可能性があります。
凍害の初期サインを見逃さない
凍害が進行している外壁には、以下のようなサインが現れます。
✅ひび割れ(クラック)
✅蜘蛛の巣状や、横方向への深い亀裂
✅ポップアウト現象
✅外壁の表面が層状に剥がれ落ちたり、欠けたりする現象
✅塗装の剥がれ
✅塗膜が浮いてペラペラと剥がれてくる現象
これらの症状が見られた場合、単なる「塗り替え」だけでは対処できない可能性があります。すでに基材(外壁材そのもの)が強度を失っている場合があるため、早急なプロによる診断が必要です。
見えない敵!外壁劣化裏の結露が家を腐らせる
冬の窓ガラスにびっしりとつく水滴。あの「結露」が、実は壁の中でも起きていることをご存知でしょうか?
これを「内部結露(壁内結露)」と呼びます。凍害と並び、冬に外壁劣化を加速させる大きな要因です。
表面結露と内部結露の違い
✔表面結露
窓ガラスやサッシ、壁の表面など、目に見える場所で発生する結露
カビの原因になりますが、拭き取ることができます
✔内部結露
外壁材と断熱材の間や、柱などの構造体の隙間で発生する結露
目に見えないため発見が遅れ、深刻な被害をもたらします
内部結露が起こるメカニズム
冬場、室内は暖房で暖められ、湿気(水蒸気)を含んだ空気が充満しています。一方、外気は乾燥して冷え切っています。
湿気は「高いところから低いところへ」移動する性質があるため、室内の湿気は壁を通り抜けて外へ出ようとします。その際、冷たい外壁の内側に触れた瞬間、水蒸気が冷やされて水滴に変わります。これが内部結露です。
結露が招く恐ろしい被害
内部結露が常態化すると、以下のような深刻なトラブルを引き起こします。
✔断熱材の劣化
グラスウールなどの断熱材が水を吸って垂れ下がり、断熱性能が失われます
✔木材の腐食
柱や土台などの構造材が湿気で腐り、シロアリの温床となります
✔外壁の剥離
内側からの湿気が外壁材を押し出し、塗装の膨れやサイディングの反り・浮きを発生させます
特に、築20年以上前の住宅では、現在の標準工法である「通気工法(壁の中に空気の通り道を作る工法)」が採用されていない「直貼り工法」のケースがあり、内部結露のリスクが非常に高いため注意が必要です。
我が家は大丈夫?冬の劣化セルフチェック

本格的な冬を迎える今、ご自身でもできる簡単なチェックポイントをご紹介します。以下の項目に当てはまる場合は、専門家への相談をお勧めします。
築年数と工法の確認
・築20年以上経過している
・過去に一度も外壁塗装をしていない、または前回の塗装から10年以上経過している
・外壁通気工法が採用されていない可能性がある
外壁の見た目のチェック
・北側の壁
・常に湿っぽく、コケや藻が繁殖していないか
・サイディングの目地
・コーキング(ゴム状のパッキン)がひび割れたり、隙間が空いたりしていないか
・浴室・脱衣所周りの外壁
・塗装が膨れていたり、剥がれていたりしていないか
・釘周りのひび割れ
・サイディングを留めている釘の周辺に、小さなひび割れがないか
外壁の結露や凍害を防ぐリフォーム・メンテナンス術
「凍害」や「内部結露」は、放置すれば家の寿命を縮めますが、適切なリフォームを行うことで防ぐことができます。ここでは、冬の劣化対策リフォームの手法をご紹介します。
高耐久塗料による「防水性の回復」
凍害の根本原因は、外壁材が水を吸うことです。
まだ劣化が軽度(チョーキング現象や微細なひび割れ程度)であれば、塗装によって防水膜を再生させることで解決します。
冬の寒さに強い塗料や、ひび割れに追従する弾性塗料などを選定し、しっかりと下地処理を行った上で塗装することで、外壁材への水の浸透をシャットアウトします。
コーキング(シーリング)の打ち替え
サイディングの継ぎ目にあるコーキングは、防水の要です。
ここが劣化して隙間ができると、雨水が壁の裏側へダイレクトに侵入し、内部結露や凍害を加速させます。
既存のコーキングを撤去し、新しい高耐久なシーリング材を充填する「打ち替え工事」を行うことで、水の侵入経路を断ちます。
金属サイディングによるカバー工法
もし、既存の外壁材が凍害によってボロボロになっていたり、内部結露のリスクが高い直貼り工法であったりする場合、塗装だけでは解決できません。
そこでおすすめなのが、金属サイディングによるカバー工法(重ね張り)です。
軽量で断熱材と一体になった金属サイディングを、今の外壁の上から張る方法です。
断熱性アップ
魔法瓶のように家を包み込むため、結露の発生を抑制します
防水性アップ
金属製のため水を吸わず、凍害のリスクがありません
通気層の確保
施工時に新たな通気層を設けることで、壁内の湿気を逃がす構造に改善できます
透湿性のある塗料の選定
内部結露対策として、外からの水は弾くけれど、内からの湿気は通す「透湿性」の高い塗料を選ぶことも重要です。
特にモルタル外壁や、湿気の多い立地の住宅では、呼吸する壁を作ることで、塗膜の膨れや剥がれを防ぐことができます。
船橋・八千代・習志野の冬のリフォームは「オーネストリフォーム」へ
冬の外壁トラブルは、地域の気候特性を熟知したプロの診断が必要です。
大手ハウスメーカーや広域展開しているリフォーム店も数多くありますが、私たちオーネストリフォームには、地域密着専門店だからこその強みがあります。
➀地域の気候と住宅事情を知り尽くしています
私たちは長年、船橋市、八千代市、習志野市エリアで施工を行ってきました。
「海風が当たるエリアの塩害リスク」や「内陸部の冬の冷え込みによる凍結リスク」、「この地域の分譲地で多く採用されている外壁材の特徴」など、教科書通りの知識だけでなく、現場経験に基づいたデータを持っています。
だからこそ、「ただ塗るだけ」ではなく、「なぜ劣化しているのか」を突き止め、凍害や結露の再発を防ぐ根本的な提案が可能です。
②徹底した現場調査と「正直」な提案
もし、お客様のお住まいが塗装では手遅れな状態であれば、塗装工事ではなく、正直にカバー工法や張り替えをお勧めします。
逆に、まだ塗装で十分長持ちするのであれば、無駄に高額な工事は勧めません。
特に冬場の診断では、目に見えるひび割れだけでなく、含水率計などを用いて「壁の中に水が溜まっていないか」までしっかりと調査いたします。
③迅速な対応と万全のアフターフォロー
地域密着だからこそ、何かあったときにすぐに駆けつけられる距離感が自慢です。
工事が終わってからが本当のお付き合い。冬の施工管理もしっかりと行い、気温や湿度を考慮した適切な施工スケジュールで、高品質な仕上がりをお約束します。
まとめ|冬こそ外壁のSOSに耳を傾けてください
今回は、冬の「凍結」や「結露」が引き起こす外壁劣化について解説しました。
寒さが厳しくなる今だからこそ、大切なお住まいを守るためのメンテナンスを検討してみませんか?
オーネストリフォーム株式会社では、無料の建物診断を実施しております。
少しでも気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。皆様からのご連絡を、スタッフ一同心よりお待ちしております。




















