ARTICLE

コラム内容

外壁塗装に必要な「下地処理」とは?高圧洗浄やケレン作業の重要性

2025.09.30

外壁塗装に必要な「下地処理」とは?高圧洗浄やケレン作業の重要性

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「外壁塗装は塗料のグレードが大事だと思ってたけど、『下地処理』で持ちが全然違うって本当?」
「手抜き工事で下地処理をちゃんとやってもらえなかったら、どうなる?」
実は、外壁塗装の耐久性を決める最も重要な工程は、上から塗る塗料の種類やグレードだけではありません。塗装前の「下地処理」が、塗装の仕上がりと寿命を9割決めると言っても過言ではないのです。
どんなに高級で高性能な塗料を使っても、この下地処理がおろそかになった塗装は、数年も経たないうちに剥がれたり、膨れたりといったトラブルを引き起こしかねません。
この記事では、外壁塗装における「下地処理」とは具体的にどのような作業なのか、なぜそれほどまでに重要なのか、そして手抜き工事をされないためにどこをチェックすれば良いのかを、専門店の視点から徹底的に解説します。

外壁塗装の「下地処理」とは?塗装の寿命を左右する重要な工程

外壁塗装における下地処理とは、塗料を塗る前に行う、外壁材の表面を整えるためのあらゆる作業のことを指します。

そもそも下地処理とは何か?

女性のお化粧に例えると分かりやすいかもしれません。ファンデーションを塗る前に、洗顔で汚れを落とし、化粧水や乳液で肌を整え、下地クリームを塗ります。この下地作りを丁寧に行うことで、ファンデーションのノリが良くなり、化粧崩れしにくく、美しい仕上がりが長持ちします。
外壁塗装も全く同じです。
・高圧洗浄で長年の汚れや古い塗膜を洗い流す
・ひび割れやサビを補修
・下塗り塗料で外壁材と新しい塗料の密着性を高める
こうした一連の下地処理を丁寧に行うことで、初めて塗料が本来持つ性能を最大限に発揮し、10年、15年と長きにわたって大切なお住まいを守り続けてくれるのです。

下地処理を怠るとどうなる?手抜き工事が招く3つの深刻なリスク

では、もしこの重要な下地処理を怠ったり、手抜き工事をされたりすると、どのような事態を招くのでしょうか。代表的な3つのリスクをご紹介します。

リスク①わずか数年で塗膜が「剥がれる」「膨れる」

下地処理が不十分だと、塗料が外壁にしっかり密着せず、1〜3年で塗膜が剥がれたり膨れたりして、美観だけでなく外壁保護の役割も果たせなくなります。

リスク②ひび割れやサビがすぐに再発する

下地のひび割れやサビを補修せずに塗装すると、見た目はきれいでも内部で劣化が進み、すぐに症状が再発して雨漏りや建物の構造躯体を傷める原因になります。

リスク③再塗装が必要になり余計な費用がかかる

早期に塗膜の剥がれや膨れ、ひび割れの再発といった不具合が起きると、補修だけでは済まず、多くの場合、足場を再び組んで一から塗装をやり直す「再塗装」が必要になり、結果的に大きな費用がかかってしまいます。

外壁塗装における下地処理の具体的な作業内容と流れ

下地処理の重要性をご理解いただけたところで、次に具体的にどのような作業が行われるのかを、一般的な工程に沿って詳しく見ていきましょう。

外壁塗装の下地処理①高圧洗浄

まず最初に行うのが、高圧洗浄です。専用の機械を使って強力な水圧で水を噴射し、外壁表面にこびりついたカビ、コケ、藻、チョーキング(塗料が粉状になったもの)、ホコリなどを徹底的に洗い流します。
この工程の目的は、外壁をクリーンな状態に戻し、新しい塗料がしっかりと密着できる土台を作ることです。目に見えないような細かい汚れも、残っていると塗料の密着を妨げる原因となります。

外壁塗装の下地処理②ケレン作業

ケレン作業とは、主に鉄部(雨戸、手すり、屋根など)や、塗膜が剥がれかかっている部分に対して行われる作業です。スクレーパーやワイヤーブラシ、サンドペーパーといった道具を使い、古い塗膜やサビを物理的に削り落としていきます。

ケレン作業とは?

ケレン作業の目的は、高圧洗浄だけでは落としきれない頑固なサビや浮いた塗膜を除去し、塗装面の凹凸をなくして滑らかにすることです。この作業を行うことで、下塗り材や新しい塗料が吸い付くように密着し、剥がれにくい強靭な塗膜を形成することができます。
地味で根気のいる作業ですが、このひと手間を惜しまないことが、仕上がりの美しさと耐久性に直結します。

劣化状況に応じたケレンの種類

実はケレン作業には、劣化の度合いに応じて4つの種類(1種〜4種)があります。例えば、活膜(まだ密着している古い塗膜)を残して表面を軽く目粗しする程度のものから、電動工具などを使って全てのサビや塗膜を完全に除去するものまで様々です。
専門知識を持った職人は、部材の劣化状況を正確に見極め、最適な種類のケレン作業を選択します。

外壁塗装の下地処理③ひび割れ補修(クラック補修)

モルタル外壁やサイディング外壁に見られる、髪の毛のような細いひび割れから、構造に影響を及ぼしかねない大きなひび割れまで、塗装前に適切に補修します。

なぜひび割れ補修が必要なのか?

どんなに小さなひび割れでも、放置すればそこから雨水が壁の内部に浸入してしまいます。内部の防水シートや断熱材、さらには柱などの構造躯体を濡らし、腐食や雨漏りの原因となるため、塗装前に必ず塞いでおかなければなりません。

ひび割れの補修方法

細いひび割れ(ヘアークラック)の場合は、下塗り材を刷り込むように塗って埋めていきます。一方、幅0.3mm以上の構造クラックと呼ばれるひび割れには、専用の工具で溝を掘り(Uカット/Vカット)、プライマーを塗布した上で、弾力性のあるシーリング材を充填して埋めていきます。

外壁塗装の下地処理④コーキング(シーリング)の補修

サイディングボードの継ぎ目(目地)や、窓サッシまわりには、ゴム状のコーキング(シーリング)材が充填されています。このコーキングも経年で劣化し、硬くなったりひび割れたりするため、塗装前に補修が必要です。

コーキングの役割

コーキングは、地震などの揺れで外壁材同士がぶつかり合って破損するのを防ぐクッションの役割と、目地からの雨水の浸入を防ぐ防水の役割を担っています。ここが劣化すると、建物の防水性能が著しく低下してしまいます。

「打ち替え」と「増し打ち」の違い

コーキングの補修には、既存の古いコーキングを全て撤去して新しく充填し直す「打ち替え」と、既存のコーキングの上から新しいものを重ねて充填する「増し打ち」の2種類があります。
サッシまわりなど、構造上古いコーキングを撤去できない箇所を除き、基本的には「打ち替え」が推奨されます。

外壁塗装の下地処理⑤養生

塗装作業に入る前に、塗料が付着してはいけない部分を保護するために、専用のビニールシートやテープで覆う作業を「養生」と呼びます。
窓やサッシ、玄関ドア、給湯器など、汚してはいけない箇所を丁寧に保護します。この養生の丁寧さが、塗装のラインを真っ直ぐにしたり、不要な部分への塗料の飛散を防いだり、最終的な仕上がりの美しさを大きく左右するのです。

外壁塗装の下地処理⑥下塗り(シーラー・プライマー・フィラー)

全ての下準備が整ったら、いよいよ塗装工程に入りますが、いきなり仕上げの色を塗るわけではありません。その前に、非常に重要な「下塗り」という工程があります。
下塗りには、次のような役割があります。
傷んだ下地に浸透して補強する
上塗り塗料が下地に吸い込まれるのを防ぎ、色ムラをなくす
下地と上塗り塗料を接着剤のように繋ぎ、密着性を高める
下地の素材(モルタル、サイディング、金属など)や劣化状況に合わせて、「シーラー」「プライマー」「フィラー」といった異なる種類の下塗り材を的確に使い分けることが、プロの腕の見せどころです。

【項目別】外壁塗装の下地処理にかかる費用相場

ここまでご説明してきた下地処理ですが、各作業項目ごとのおおよその費用相場をご紹介します。
これらはあくまで一般的な目安です。建物の大きさ、外壁材の種類、劣化の度合いによって費用は大きく変動します。正確な金額は、専門業者による現地調査の上、見積書でご確認ください。

作業項目 単位 費用相場 備考
高圧洗浄 200円~450円 薬品洗浄の場合は+200円~300円/㎡程度
ケレン作業 300円~2,500円 劣化状況に応じて変動
ひび割れ補修 m 500円~2,000円 ひび割れの幅や深さ、工法によって変動
コーキング打ち替え m 700円~1,500円 使用するコーキング材のグレードで変動
コーキング増し打ち m 500円~1,000円 既存の状態が良い場合に限られる
養生 200円~400円 塗装面積に対する養生範囲の割合で変動

一般的な30坪程度の戸建て住宅の場合、上記の下地処理にかかる費用は、合計で15万円〜30万円程度が目安となります。
もちろん、ひび割れが非常に多い、コーキングの劣化が激しいといった場合はこれ以上になることもありますし、逆に状態が良ければこれよりも安くなることもあります。

要注意!見積書で下地処理の項目をチェックするポイント

悪質な業者や手抜き工事をしようとする業者は、この下地処理の項目を曖昧に記載する傾向があります。見積書を受け取ったら、必ず以下のポイントをチェックしてください。

見積もりのチェックポイント①「一式」表記が多くないか?

最も注意すべきなのが、「下地処理一式 〇〇円」「付帯部塗装一式 〇〇円」といった、どんぶり勘定の「一式」表記です。
これでは、具体的にどのような作業が、どれくらいの範囲(数量)で行われるのか全く分かりません。業者側が都合の良いように作業を省略できてしまうため、手抜き工事の温床となりやすいのです。
優良な業者の見積書は、「高圧洗浄〇〇㎡  単価〇〇円 金額〇〇円」のように、作業項目、数量(㎡やm)、単価、金額がそれぞれ明確に記載されています。

見積もりのチェックポイント②外壁の状態に合った項目が含まれているか?

明らかに見て分かるひび割れやコーキングの劣化、サビがあるのにもかかわらず、見積書に「ひび割れ補修」や「ケレン作業」といった項目が含まれていない場合は要注意です。必要な下地処理が見積もられていない可能性があります。なぜその項目がないのか、業者に確認する必要があります。

見積もりのチェックポイント③質問にきちんと回答できるか?

見積書には専門用語も多く、一度見ただけでは分からないこともあるかと思います。少しでも疑問に思ったり、不明に感じたりした点があれば、遠慮なくその場で担当者に質問しましょう。
質問に対して、分かりやすく丁寧に、誠意をもって答えてくれるかどうかは、その業者の信頼性を測る重要なバロメーターです。「任せてくれれば大丈夫です」などと言葉を濁すような業者は、避けた方が賢明です。

まとめ|丁寧な下地処理が外壁塗装の成功の鍵!

外壁塗装は、ただ色を塗り替えて美しくするだけのリフォームではありません。雨や紫外線からお住まいを守り、その寿命を延ばすための重要なメンテナンスです。だからこそ、見えない部分、隠れてしまう部分である「下地処理」にこそ、業者の誠実さと技術力が表れます。
私たちオーネストリフォーム株式会社は、千葉県の船橋市、八千代市、習志野市を中心に、地域に密着した外装リフォームの専門店です。私たちは、この「下地処理」こそが最も重要であると考え、一切の妥協なく、一件一件のお住まいに真摯に向き合うことをお約束します。
「うちの壁はどんな下地処理が必要なんだろう?」
「一度、専門家に詳しく診断してほしい」
そのようなご要望がございましたら、ぜひお気軽にオーネストリフォームにご相談ください。経験豊富な専門家がお客様のお住まいに伺い、無料で建物診断とお見積もりをさせていただきます。