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外壁の「ひび割れ」を放置するとどうなる?雨漏りや構造への影響を解説

2025.08.26

外壁の「ひび割れ」を放置するとどうなる?雨漏りや構造への影響を解説

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふと自宅の外壁に目をやったとき、線のような「ひび割れ」を見つけて、「このまま放置しても大丈夫だろうか…」「もしかして雨漏りの原因になるのでは?」と不安に感じたことはありませんか?
外壁のひび割れは、お住まいの劣化を示すサインの一つです。最初は小さなひび割れでも、放置することで雨漏りを引き起こし、建物の構造自体に深刻なダメージを与えてしまうケースも少なくありません。
この記事では、外壁のひび割れ(クラック)について、以下の点を詳しく解説します。
ひび割れの種類と危険度の見分け方
ひび割れが発生する原因
ひび割れを放置した場合の深刻なリスク
正しい補修方法と費用相場
この記事を最後までお読みいただければ、ご自宅のひび割れに対する不安が解消され、今すぐ取るべき最適な行動が明確になります。大切なお住まいを長持ちさせるためにも、ぜひ参考にしてください。

外壁のひび割れ(クラック)には種類がある!危険度をチェック

外壁に発生するひび割れは、専門用語で「クラック」と呼ばれます。クラックは、その幅や発生原因によって危険度が大きく異なります。まずは、ご自宅のひび割れがどの種類に該当するのか、セルフチェックしてみましょう。

危険度が低いひび割れ(ヘアークラック)

ヘアークラックは、その名の通り髪の毛のように細く、幅が0.3mm未満、深さが5mm未満の微細なひび割れを指します。
主な原因は、外壁表面を保護している塗膜が、紫外線や雨風によって経年劣化したことによるものです。塗膜の防水機能が低下し始めているサインではありますが、この段階で直ちに雨水が壁の内部に浸入する可能性は低いです。
ただし、油断は禁物です。ヘアークラックは、外壁塗装のメンテナンス時期が近づいているサインとも言えます。放置すればひび割れが深くなり、より深刻な劣化につながるため、計画的なメンテナンスを検討し始める良い機会と捉えましょう。

放置すると危険なひび割れ

幅0.3〜0.5mm、深さが5〜20mmのひび割れは、単なる塗膜の劣化だけでなく、外壁材そのものの劣化が進行している可能性があるため注意が必要です。塗装のみでの修繕は難しいため、専門工事業者の点検の上で適切なひび割れ補修を実施することが推奨されます。

構造クラック

幅0.5mm以上、あるいは深さが20mmを超えてはっきりと目視できるひび割れは「構造クラック」と呼ばれ、緊急性の高い危険な状態です。名刺やシャープペンシルの芯が入るようであれば、この構造クラックを疑いましょう。
原因として、地震による揺れや、地盤の不同沈下、設計・施工上の問題など、建物の構造自体に起因するものが考えられます。このひび割れは外壁材の内部まで達していることが多く、雨水が直接壁の内部に浸入する通り道となってしまいます。
放置すれば、後述する雨漏りや構造躯体の腐食に直結するため、発見次第、早急に専門業者による診断を受けることを強く推奨します。

開口部周辺のひび割れ

窓やドア(開口部)の四隅から、斜め方向に伸びるひび割れにも注意が必要です。開口部は建物の構造上、弱点になりやすく、地震などの揺れによる力が集中してひび割れが発生しやすい箇所です。
このひび割れも、構造クラックと同様に建物内部への影響が懸念されるため、専門家による点検が必要です。

なぜひび割れは起きる?外壁材別の原因

ひび割れは、お住まいに使われている外壁材の種類によっても、発生のしやすさや原因が異なります。代表的な外壁材ごとの特徴を見ていきましょう。

モルタル外壁

セメントと砂、水を混ぜて作るモルタルは、職人が手作業で塗り上げるため、デザインの自由度が高いのが特徴です。しかし、材料の特性上、乾燥による収縮や、地震などの揺れによる建物の動きに追従できずひび割れが発生しやすいという側面があります。特に、リシンやスタッコといった硬い仕上げ材の場合、表面にひびが入りやすくなります。

サイディング外壁(窯業系・金属系)

現在の日本の住宅で最も普及しているのが、窯業系サイディングです。サイディングはボード状の外壁材をつなぎ合わせて施工するため、ジョイント部である程度ズレを吸収します。よって、ボード自体が大きくひび割れることは稀です。
しかし、サイディングで最も注意すべきなのは、ボードの継ぎ目を埋める「シーリング(コーキング)」の劣化です。シーリングは経年で硬化し、ひび割れたり剥がれたりします。その隙間から雨水が浸入し、サイディングボードの反りや内部の劣化を引き起こす原因となります。

ALC外壁

軽量気泡コンクリートと呼ばれるALCは、耐久性や断熱性に優れていますが、内部に無数の気泡があるため、素材自体に防水性はありません。
表面の塗装によって防水機能を保っているため、塗膜が劣化してひび割れが発生すると、そこから雨水を吸い込み、内部の鉄筋を錆びさせてしまうリスクがあります。

外壁のひび割れを放置する5つのリスク

「小さなひび割れだから」と放置してしまうと、後々、大規模な修繕が必要になるほど深刻な事態を招くことがあります。ここでは、ひび割れを放置することで起こりうる5つの重大なリスクを解説します。

外壁ひび割れ放置のリスク①雨漏りの発生

最も分かりやすく、生活に支障をきたすのが雨漏りです。ひび割れから浸入した雨水は、壁の内部にある防水シートを徐々に劣化させ、やがて室内にまで到達します。
天井や壁にシミが発生
壁紙(クロス)の剥が、浮き
窓枠から雨水が垂れてくる
このような症状が現れた場合、すでに壁の内部で劣化がかなり進行している可能性が高いため、早急に専門工事業者の点検を受けるようにしましょう。

外壁ひび割れ放置のリスク②建物の構造躯体の腐食

壁の内部に浸入した雨水は、お住まいを支える最も重要な部分である柱や梁、土台といった構造躯体を腐食させます。木造住宅であれば木材が腐り、鉄骨住宅であれば鉄骨が錆びてしまいます。
構造躯体がダメージを受けると、建物の耐震性が著しく低下し、最悪の場合は大規模な地震の際に倒壊する危険性もあります。

外壁ひび割れ放置のリスク③断熱材の劣化とカビの発生

外壁の内側には、断熱材が施工されています。この断熱材が雨水で濡れてしまうと、断熱性能が失われ、「夏は暑く、冬は寒い家」になってしまいます。
さらに、湿った断熱材はカビの温床となり、壁の内部で繁殖したカビがアレルギーやシックハウス症候群など、ご家族の健康被害を引き起こす恐れもあります。

外壁ひび割れ放置のリスク④シロアリの発生

シロアリは、湿った木材を好んで餌にします。ひび割れから浸入した雨水によって構造躯体が湿気を帯びると、シロアリを呼び寄せる原因となります。
シロアリ被害が進行すると、柱や土台がスカスカになり、建物の耐久性が大きく損なわれてしまいます。

外壁ひび割れ放置のリスク⑤修理費用が高額になる

これが最も現実的なリスクかもしれません。ヘアークラックのような初期段階であれば、数万円程度の部分的な補修で済む場合もあります。
しかし、雨漏りや構造躯体の腐食まで進行してしまうと、外壁の張り替えや内部の下地交換、構造躯体の補修など、数百万円単位の大規模なリフォーム工事が必要になるケースも珍しくありません。
早期発見・早期対処こそが、結果的に最もコストを抑える方法なのです。

外壁ひび割れの補修方法と費用相場

では、実際にひび割れが見つかった場合、専門業者はどのように補修するのでしょうか。代表的な工法と、おおよその費用相場をご紹介します。

補修方法

フィラーによる刷り込み

ヘアークラックなどの微細なひび割れに用いられる方法です。ひび割れを埋める効果のある下地調整材(フィラー)を、刷毛などを使ってひび割れに刷り込むように塗布します。外壁塗装を行う際の下地処理として行われるのが一般的です。

シーリング材の充填(Uカット・Vカットシール工法)

幅0.3mm以上のクラックなど、比較的大きなひび割れに用いられる工法です。専用の工具でひび割れに沿ってU字またはV字に溝を掘り、プライマー(接着剤)を塗布した上で、シーリング材や硬質エポキシ材を充填します。

樹脂注入工法(エポキシ樹脂など)

ひび割れの内部に専用の注入器を使って低圧で樹脂を注入し、隙間を埋める工法です。ひび割れた部分を内側から接着して一体化させるため、外壁の強度を回復させる効果も期待できます。

費用相場

ひび割れの補修費用は、劣化の状況や範囲、補修方法によって大きく変動します。
・部分的なひび割れ補修
1箇所あたり 1万円~5万円程度
・外壁塗装と同時に行う場合
30坪の住宅で10万円~30万円程度
ひび割れが広範囲に及んでいたり、高所に発生していたりする場合は、安全に作業するための足場が必須となります。
また、ひび割れの原因が塗膜の全体的な劣化である場合は、部分的な補修だけでは再発のリスクが高いため、外壁全体の塗装リフォームをご提案することが一般的です。正確な費用については、必ず専門業者に見積もりを依頼しましょう。

外壁のひび割れ修理、DIYは可能?

費用を抑えるために、ご自身でのDIYを検討される方もいらっしゃるかもしれません。しかし、外壁のひび割れ補修をDIYで行うことは推奨できません。

DIYのメリット・デメリット

メリット
材料費のみで済むため、費用を安く抑えられる。
自分の好きなタイミングで作業ができる。
デメリット
高所作業は転落の危険が伴う。
ひび割れの根本的な原因を特定するのは難しい。
不適切な材料や方法で補修すると、症状を悪化させる恐れがある。
すぐに再発する可能性が高い。

専門業者への依頼を推奨

特に、幅0.3mm以上のクラックや、2階以上の高所に発生したひび割れは絶対にDIYで補修しないでください。
プロはひび割れの状態を正確に診断し、その原因と外壁材に合った最適な工法を選択します。長期的な安心と、お住まいの資産価値を守るためにも、必ず専門の業者に相談しましょう。

船橋市、八千代市、習志野市で外壁のひび割れにお悩みならオーネストリフォームへ

ここまで外壁のひび割れについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。もし、千葉県船橋市、八千代市、習志野市、またはその近隣エリアでご自宅の外壁のひび割れにお悩みでしたら、ぜひ私たちオーネストリフォーム株式会社にご相談ください。
オーネストリフォームは、外壁塗装、屋根工事、雨漏り修理を専門に手掛けてきた住宅リフォームのプロフェッショナルです。
ご相談、お見積もりは無料です。「ちょっと見てほしい」「話だけでも聞いてみたい」という段階でも大歓迎です。大切なお住まいを守る第一歩として、まずはお気軽にお問い合わせください。
大切なお住まいに長く、安心して住み続けるために、定期的なセルフチェックと、専門家によるメンテナンスを心掛けましょう。オーネストリフォームが、皆様の大切なお住まいを守るお手伝いをさせていただきます。