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高圧洗浄だけでは不十分?外壁塗装前の「下地補修」の重要性

2025.12.25

高圧洗浄だけでは不十分?外壁塗装前の「下地補修」の重要性

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外壁塗装を検討し始めると、多くのサイトやパンフレットで「高圧洗浄」や「下地補修」という言葉を目にするかと思います。実は外壁塗装の寿命(耐久性)を決めるのは、塗料そのものの性能よりも、その前段階である高圧洗浄と下地補修の質にあるといっても過言ではありません。
今回は、外壁塗装のプロの視点から高圧洗浄の必要性と下地補修の具体的な内容を詳しく解説します。外壁塗装を長持ちさせるポイントが良く分かりますので、リフォームをお考えの方は参考にしてみてください。

外壁塗装前の高圧洗浄の役割

外壁塗装の最初の工程として行われるのが高圧洗浄です。これは単なる外壁の掃除ではありません。塗装の成否を分ける非常に重要な役割を担っています。

なぜ「高圧」でなければならないのか

外壁には、長年の埃や排気ガスによる油分、そしてカビやコケ、さらに「チョーキング」によって発生した古い塗料の粉が付着しています。
これらは、普通のホースで水をかけた程度では決して落ちません。プロ仕様の高圧洗浄機は、家庭用のものとは比較にならないほどの圧力で、これらの異物を削ぎ落とすように洗い流します。

汚れが残ったまま塗装するとどうなるか

もし、高圧洗浄を適当に済ませて、汚れや粉が残ったまま新しい塗料を塗ったらどうなるでしょうか。
新しい塗料は外壁に密着せず、汚れの層の上に乗っているだけの状態になります。その結果、塗装後わずか1〜2年で、塗膜が剥がれてきたり、浮いてきたりするのです。
高い耐久性能を持つ高額な塗料を使っても、下地との密着が悪ければ全く意味がありません。

頑固なコケ・カビには「バイオ洗浄」が有効

北側の壁や植栽の近くなどは、カビやコケの根が深く入り込んでいることがあります。通常、高圧洗浄だけでもかなり綺麗になりますが、「バイオ洗浄」を勧められることもあります。
これには、高圧洗浄の際に専用の洗浄剤を添加して目に見えない菌まで死滅させることで、塗装後のコケの再発を強力に抑える効果があります。

外壁塗装の成否を分ける下地補修

高圧洗浄で外壁を凹凸の底まで綺麗な状態にした後に行うのが、下地補修(下地調整)です。これは、塗装をする前に外壁そのものの傷みや不具合を直す作業の総称です。
どんなに高性能な塗料を使っても、下地が荒れていたり、傷やひび割れがあったりしては綺麗に仕上がりませんし、長持ちもしません。

外壁材によって異なる補修のポイント

お住まいの壁の種類によって、必要な補修は異なります。

モルタル外壁

ひび割れ(クラック)の補修が中心になります。

窯業系サイディング外壁

パネル同士の継ぎ目である「シーリング(コーキング)」の打ち替えが最優先事項です。

金属外壁や水切板金などの鉄部

サビを落とし、塗料を食いつきやすくする「ケレン」作業が重要です。

下地補修を怠った際に発生する重大なトラブル

もし、下地補修を簡略化して塗装工程に進んでしまった場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。

数年での塗装剥がれ・膨れ

密着不良による剥がれが発生します。多くの塗装メーカーの保証は「適切な下地処理が行われていること」が前提となっているため、補修を怠ったことによる剥がれは、保証対象外になるケースも多いので注意が必要です。

雨漏りの発生と建物内部の腐食

ひび割れやシーリングの劣化を放置して上から塗装だけしても、塗膜の薄い膜だけでは水の浸入は防ぎきれません。塗装後に内部で腐食が進み、気づいた時には柱が腐っていた…という最悪の事態も起こり得ます。

将来的な修繕費用の増大

「安く済ませたいから」と下地補修を省いてしまうと、数年後に再塗装や、さらには外壁の張り替えといった大規模な工事が必要になり、結果としてトータルのコストは跳ね上がってしまいます。

外壁塗装前の下地補修の種類

下地補修において具体的にどのような作業が行われるのか、代表的なものをご紹介します。

ひび割れ(クラック)補修

幅が0.3mm以上の「構造クラック」と呼ばれるひび割れは、単に上から塗料を塗るだけでは不十分です。
あえてひび割れ部分をサンダー(専用工具)で「V字」または「U字」に削り広げ、そこにプライマーを塗布してからシーリング材を充填します。こうすることで、シーリング材が奥までしっかり入り込み、地震などの揺れにも追従できる柔軟な補修が可能になります。

欠損・爆裂補修

モルタルの一部が欠けていたり、内部の鉄筋が錆びてコンクリートが押し出されたりしている状態(爆裂現象)がある場合は、欠損部分を樹脂モルタルなどで形成し直します。

シーリング(コーキング)の打ち替え

窯業系サイディングの住宅において、下地補修の要となるのがシーリングです。築20年も経つと、シーリングはカチカチに硬化し、ひび割れたり破断したりしています。
古いシーリングを全て撤去し、新しいものを打ち直す「打ち替え」作業を丁寧に行うことで、家全体の防水性能が劇的に回復します。

ケレン作業

「ケレン」という言葉は聞き慣れないかもしれませんが、鉄部の塗装前の下地調整として非常に重要な工程です。
ヤスリや電動工具を使い、古い塗膜やサビを落とします。また、あえて表面に微細な傷をつける「目荒らし」を行うことで、塗料の接着面積を増やし、密着力を高めます。このケレン作業を怠ると、鉄部の塗装は驚くほど早く剥げてしまいます。

高圧洗浄と下地補修の費用相場

リフォームを検討する上で避けて通れないのが費用の問題です。ここでは、高圧洗浄と下地補修に掛かる費用相場について解説します。

高圧洗浄の単価

高圧洗浄の相場は、一般的に1㎡あたり200円〜300円程度です。
延べ床30坪(外壁面積約120〜150㎡)の家であれば、3万円〜5万円程度が目安となります。前述の「バイオ洗浄」の場合は、これに1㎡あたり100円〜200円ほど加算されるのが一般的です。

下地補修の費用

下地補修は、外壁の劣化の度合いによって大きく変動します。
・ひび割れ補修
1mあたり1,000円〜2,000円
・シーリング打ち替え
1mあたり900円〜1,500円
・ケレン作業
1㎡あたり500円~2,000円(サビの程度による)
築20年を超えているような場合には、補修箇所はどうしても多くなります。見積もりを見たときに下地補修費用が高いと感じるかもしれませんが、外壁塗装を長持ちさせるためには必須の項目として捉えましょう。

信頼できる外壁塗装業者を見極めるためのチェックポイント

高圧洗浄や下地補修は、塗装が終わってしまうと見えなくなる工程です。だからこそ、手抜きをされやすい部分でもあります。

✅見積書に「一式」ではなく「数量」が記載されているか

「下地補修 一式 〇〇円」という見積もりには注意が必要です。
どのような補修を、どこに、どれくらいの量行うのかが見積もりを見て納得行くまで質問をしましょう。しっかり現地調査をしている業者であれば、必ず「ひび割れ補修 〇〇m」や「シーリング打ち替え 〇〇m」といった具体的な数量を提示できるはずです。

✅作業工程の写真を提供してくれるか

「しっかり洗浄しました」「下地補修もしっかり実施しました」という言葉だけでなく、証拠となる写真を見せてくれるかどうかを確認しましょう。お客様が確認できない高所の補修についても、写真を撮影し完工報告書として提出してもらえるかも業者を選定する重要なポイントです。

✅地域密着型ならではの安心感

大手ハウスメーカーや全国展開するリフォーム業者に頼むのも一つの手ですが、地域に根ざし、そのエリアの気候特性や周辺の住宅事情を熟知している地域密着型の専門工事業者が一番安心できます。
地域密着型の業者はその土地ならではの外壁劣化傾向を把握していますので、適切なアドバイスをしてくれることが期待できます。いい加減な工事をすれば、たちまち悪評が広がり事業を継続できません。そういった点で、アフターフォローもしっかりと対応してもらえるでしょう。

まとめ|10年後を見据えて下地補修はしっかりと!

外壁塗装の目的は、単に家を綺麗にすることだけではありません。本来の目的は大切なお住まいを雨風から守り、寿命を延ばすことです。
そのために、高圧洗浄と下地補修は欠かすことのできない土台です。これから外壁塗装を検討される方は、ぜひ「どんな塗料を塗るか」と同じくらい、「どんな下地処理をしてくれるのか」に注目してみてください。
船橋市、八千代市、習志野市周辺で外装リフォームをご検討されている方は、「オーネストリフォーム株式会社」へお気軽にご相談ください。
お住まいの状態を無料で診断し、10年後も20年後も安心して住み続けられる最適なプランをご提案いたします。皆様からのお問い合わせを、スタッフ一同、心よりお待ちしております。