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夏の暑さは屋根からブロック!遮熱塗料や断熱材でできる温度対策とは?

2025.07.30

夏の暑さは屋根からブロック!遮熱塗料や断熱材でできる温度対策とは?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本の夏は年々厳しさを増しており、室内に居ても熱中症を引き起こすなど健康にも影響を及ぼす深刻な問題となっています。室内の暑さ、特に2階の暑さやエアコンの効きの悪さの原因は、太陽光を直接浴びる屋根にあるかもしれません。
屋根は、家全体を雨風や紫外線から守る重要な部分ですが、同時に夏の強烈な日差しを最も受け止める場所でもあります。屋根が蓄えた熱が、じわじわと室内に伝わることで、室温が上昇してしまうのです。
適切な屋根リフォームを行うことで、この夏の暑さは大幅に改善できます。この記事では、夏の室内環境を快適にするための屋根リフォーム、特に「遮熱(しゃねつ)」と「断熱(だんねつ)」という2つのアプローチに焦点を当てて、その具体的な方法や効果、費用について詳しく解説していきます。

なぜ屋根が原因で家は暑くなるのか?

そもそも、なぜ屋根が室内の暑さにこれほど大きな影響を与えるのでしょうか。そのメカニズムを知ることで、対策の重要性が見えてきます。

太陽光が屋根を熱し、その熱が室内に伝わる仕組み

夏の強い日差しが屋根に当たると、屋根材はその熱を吸収して非常に高温になります。一般的なスレート屋根の場合、真夏には表面温度が60℃〜80℃に達することもあります。これは、目玉焼きが焼けるほどの熱さです。
この屋根に蓄えられた熱は、「伝導」「対流」「放射(輻射)」という3つの方法で室内に伝わります。特に影響が大きいのが「放射熱(輻射熱)」です。
放射熱とは、遠赤外線のように、物体から放出される熱エネルギーのことです。高温になった屋根は、この放射熱を小屋裏(屋根裏)空間に向けて放出し、天井を暖めます。そして、暖められた天井が、今度は室内へ向けて放射熱を放出し、部屋全体の温度を上昇させるのです。
エアコンをつけてもなかなか涼しくならないのは、壁や天井から常に熱が放射されているため、空気を冷やすだけでは追いつかないからです。これが、夏の室内が蒸し暑くなる大きな原因です。

特に2階の部屋が暑くなる理由

「2階だけが異常に暑い」と感じる方は非常に多いです。これには明確な理由が2つあります。

屋根との距離が近い
2階の部屋は、熱源である屋根との物理的な距離が最も近いため、屋根からの放射熱の影響をダイレクトに受けてしまいます。小屋裏の熱気がそのまま天井に伝わり、室温を押し上げてしまうのです。
暖かい空気は上昇する性質がある
暖かい空気は軽く、上へ上へと昇っていく性質があります。日中に1階で発生した生活熱や、窓から侵入した熱なども、最終的に2階へ溜まってしまいます。屋根からの熱と、下から昇ってくる熱が合わさることで、2階の暑さはより一層厳しいものになるのです。

屋根リフォームで実現する2つの効果的な暑さ対策

屋根が原因の暑さを解決するには、「遮熱」と「断熱」という2つの考え方があります。それぞれの特徴を理解し、ご自宅の状況に合った方法を選びましょう。

対策①「遮熱」:太陽光を反射して熱の吸収を防ぐ

「遮熱」とは、太陽光を反射することで屋根材自体が熱を吸収するのを防ぐ考え方です。
イメージとしては、「屋根に日傘をさす」ようなものです。日傘が日光を遮って涼しい影を作るように、遮熱は屋根の表面温度の上昇を根本から抑え、室内への熱の侵入を大幅にカットします。

対策②「断熱」:熱の伝わりを遅らせる

一方、「断熱」とは、熱を伝わりにくくする考え方です。
断熱材は、内部にたくさんの空気層を持つ素材でできています。この空気層が熱の移動を妨げることで、屋外の熱が室内へ伝わるのを防ぎます。
こちらは、「家をダウンジャケットで覆う」イメージです。冬にダウンジャケットを着ると体温が外に逃げずに暖かいように、断熱は夏の屋外の熱を室内に入れないだけでなく、冬は室内の暖かい空気を外に逃がさない効果もあります。つまり、一年中、室内を快適な温度に保つ手助けをしてくれるのです。

簡単に施工できる「遮熱塗装」

コストパフォーマンスの良い対策をしたいとお考えの方に最もおすすめなのが遮熱塗装です。これは、既存の屋根に遮熱効果のある塗料を塗装するリフォーム方法です。

遮熱塗料とは?その仕組みと効果

遮熱塗料は、先述の通り、太陽光を効率よく反射する特殊な顔料が配合された塗料です。通常の屋根は太陽光を吸収してどんどん熱くなっていきますが、遮熱塗料を塗った屋根は、その熱源となる光を跳ね返すため表面温度の上昇を大幅に抑制できます。
製品や色、建物の条件によって差はありますが、一般的な塗料と比較して屋根の表面温度を10〜20℃も低減させる効果が実証されています。これにより、室内温度も2〜3℃低下することが期待でき、エアコンの効きが格段に良くなります。
結果として、設定温度を緩やかにしても快適に過ごせるようになり、電気代の節約にもつながるのです。

遮熱塗料のメリット

✅コストパフォーマンスが高い
断熱リフォームなどと比較して、費用を抑えて高い効果を得られます。
✅手軽に施工できる
通常の屋根塗装工事と同じ工程で施工できるため、大掛かりな工事は不要です。屋根のメンテナンス(塗り替え)を検討している方なら、同時に遮熱性能をプラスできる絶好の機会です。

遮熱塗料のデメリットと注意点

✅色の効果
一般的に、光を反射しやすい白や淡い色(高明度色)の方が遮熱効果は高くなります。黒や濃い色は効果が薄れる傾向にありますが、最近では濃色でも高い反射率を持つ高性能な塗料も開発されています。
✅汚れによる効果の低下
屋根に汚れが付着するとその部分の反射率が下がり、遮熱効果が低下してしまいます。そのため、低汚染性(汚れがつきにくい)機能を持つ塗料を選ぶことが重要です。
✅断熱効果はない
遮熱塗料はあくまで「熱の侵入を防ぐ」ものであり、「熱の移動を遅らせる」断熱効果はありません。そのため、冬の寒さ対策には直接的な効果は期待できません。

根本的な解決を目指すなら「断熱リフォーム」

「夏の暑さも冬の寒さも、両方解決したい」「より根本的に、快適な住環境を手に入れたい」という方には、断熱リフォームが最適です。

屋根の断熱リフォーム、主な3つの工法

①屋根葺き替え・カバー工法と同時に行う方法

屋根材自体の劣化が進んでいる場合におすすめなのが、屋根の葺き替えやカバー工法と同時に断熱材を施工する方法です。
屋根の下地(野地板)の上に断熱材を敷き詰め、その上に新しい屋根材を設置します。家全体を断熱材で覆う形になるため、非常に高い断熱効果が得られます。
最近では、断熱材と屋根材が一体となった高機能な金属屋根材も人気です。

②天井裏(小屋裏)に断熱材を設置する方法

現在の屋根はそのままに、天井裏(小屋裏)のスペースに断熱材を設置する方法です。2階の天井の上、つまり小屋裏の床部分に、マット状やロール状の断熱材(グラスウールなど)を隙間なく敷き詰めていきます。
比較的、費用を抑えて短期間で施工できるのがメリットです。ただし、小屋裏に点検口があり、作業スペースが確保できることが条件となります。

③屋根裏に断熱材を吹き付ける方法

屋根の裏側に、直接断熱材を霧状に吹き付けていく工法です。発泡ウレタンフォームなどの素材を吹き付けると、自己接着しながら隙間なく膨らみ、複雑な形状の屋根裏でも継ぎ目のない断熱層を形成できます。
気密性が非常に高く、断熱効果に優れているのが特徴です。ただし、屋根下地の木材が結露して腐食しないように通気層を設けるなどの配慮が必要です。

断熱リフォームのメリット

✅年間を通して快適な室温
夏は外の熱を遮断し、冬は室内の暖かさを逃がさないため、一年中快適な温度環境を保てます。
✅高い省エネ効果
冷暖房の効率が飛躍的に向上し、月々の光熱費を大幅に削減できます。
✅結露の防止
室内外の温度差が原因で発生する結露を抑制し、カビやダニの発生を防ぎ、建物の健康を保ちます。

断熱リフォームのデメリット

✅費用が高額になる傾向
遮熱塗装と比較すると、材料費や工事費が高額になります。
✅工法によっては大掛かりな工事に
特に葺き替えを伴う場合は、工期も長くなります。

費用はどれくらい?遮熱・断熱リフォームの費用相場

リフォームを検討する上で、最も気になるのが「費用」でしょう。あくまで一般的な目安ですが、それぞれの費用相場をご紹介します。
【遮熱・断熱リフォーム費用の目安(30坪程度の住宅)】

工法 費用相場
屋根の遮熱塗装 約50万円~80万円
天井裏への断熱材設置 約10万円~40万円
屋根裏への吹き付け断熱 約30万円~70万円
葺き替えやカバー工法による断熱 100万円~250万円以上

 

遮熱塗装の費用相場

一般的な30坪の戸建て住宅の場合、足場代を含めて50万円〜80万円程度が相場となります。使用する塗料のグレード(耐久年数や付加機能)によって価格は変動します。

断熱リフォームの費用相場

断熱リフォームの費用は、工法によって大きく異なります。天井裏への断熱材設置は約10万円〜40万円、屋根裏への吹き付け断熱は約30万円〜70万円、そして葺き替えやカバー工法による断熱は100万円〜250万円以上が目安です。

助成金・補助金が使える場合も!

省エネルギー性能を高めるリフォームに対して、国や自治体が助成金や補助金制度を設けている場合があります。遮熱塗装や断熱リフォームも対象となる場合があり、活用することで費用負担を軽減できる可能性があります。
制度は年度によって内容が変わるため、最新の情報を確認することが重要です。まずは「断熱工事 補助金」などのキーワードでネット検索したり、お住いの自治体の窓口に確認するなどしてみましょう。

まとめ|快適な夏を過ごすために屋根の遮熱と断熱対策を!

今回は、夏の厳しい暑さ対策として、屋根リフォームにおける「遮熱」と「断熱」について詳しく解説しました。
どちらの方法がご自宅にとって最適かは、建物の構造、屋根の現在の状態、そしてお客様がどのような暮らしを望んでいるかによって変わってきます。間違った方法を選んでしまうと、期待した効果が得られなかったり、無駄な費用がかかってしまったりすることにもなりかねません。
だからこそ、まずは信頼できる専門家にご相談いただくことが、快適な住まいへの第一歩です。
私たちオーネストリフォーム株式会社は、千葉県の船橋市、八千代市、習志野市に密着し、地域のお客様の住まいのお悩みに真摯に向き合ってまいりました。豊富な経験と専門知識を持つスタッフがお客様のお住まいを無料で診断させていただき、最適なリフォームプランをご提案いたします。