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外壁塗装で雨漏りは防げる?塗装による効果と限界をプロが解説

2025.05.28

外壁塗装で雨漏りは防げる?塗装による効果と限界をプロが解説

外壁のメンテナンス方法として一般的なのが外壁塗装ですが、「外壁塗装をすれば雨漏りも直るの?」「塗装だけで本当に大丈夫?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、外壁塗装による雨漏り防止効果とその限界について、プロの視点から詳しく解説します。外壁の劣化にお悩みの方、雨漏りの不安を抱えている方は、ぜひ最後までご覧いただき、適切なメンテナンス方法を知るきっかけにしてください。

 

 

 

外壁が原因の雨漏りで起こりうる被害とは?

雨漏りが発生したときに、一時的なものだろうと軽く考えて放置してしまうと、後々取り返しのつかない大きな被害に繋がる可能性があります。
外壁からの雨漏りを放置すると、以下のような被害が発生する可能性があります。

構造材の腐食:木造住宅では、雨漏りで木材が濡れた状態が続くと腐食してしまい、建物の強度が低下し耐震性にも影響を及ぼす可能性があります。

シロアリの発生:湿った木材はシロアリを呼び寄せ、柱や土台が食い荒らされてしまいます。

断熱材の劣化:グラスウールやロックウールといった断熱材が雨水を含むと、断熱性能が著しく低下する上にカビの温床にもなります。

カビの発生と健康被害:湿気によりカビが発生し、アレルギーや喘息などの健康被害を引き起こす可能性があります。

修理費用の増大:被害が拡大するほど修理費用が高額になるため、早期発見・早期対応が費用を抑えることに繋がります。

資産価値の低下: 雨漏りが発生し構造や内装外装の劣化が進んだ建物は、資産価値が大きく低下します。外壁からの雨漏りを放置することは、建物の寿命を縮めるだけでなく、住む人の健康や経済的な負担にも繋がる深刻な問題なのです。

外壁塗装は雨漏り対策に有効?知っておきたい効果と限界

外壁塗装は雨漏りに対してどれほどの効果があるのでしょうか?その効果と限界について正しく理解しておくことが重要です。

・外壁塗装で期待できる雨漏り「予防」効果

外壁塗装の最大の目的は、「美観の回復」と「外壁材の保護」です。そして、適切に施工された外壁塗装は、雨漏りの「予防」に非常に高い効果を発揮します。
具体的には次のような効果が期待できるため、定期的な外壁塗装は建物の防水性を維持し、雨漏りを未然に防ぐための重要なメンテナンスと言えます。

・防水性の向上

新しい塗膜が外壁表面をコーティングすることで、雨水の浸入を防ぎます。弾性塗料など、防水性に特化した塗料を使用することで、より高い防水効果が期待できるでしょう。

・軽微なひび割れの補修

塗料がヘアークラックなどの細かなひび割れを埋めることで、そこからの雨水の浸入を防ぎます。ただし、これはあくまで表面的なカバーであり、大きなひび割れには別途補修が必要です。

・外壁材の保護と耐久性向上

塗膜が紫外線や雨風から外壁材を守り、劣化の進行を遅らせます。これにより、外壁材自体の耐久性が維持され、長期的に雨漏りのリスクを低減します。

・外壁塗装だけでは防げない雨漏りとは?

外壁塗装は雨漏り予防に効果的ですが、万能ではありません。特に、すでに雨漏りが発生している場合や、雨漏りの原因が塗装でカバーできない箇所にある場合は、外壁塗装だけでは解決できません。
雨漏りしているから外壁塗装で直そう」と安易に考えるのは危険です。まずは雨漏りの原因を正確に特定することが最も重要です。

・すでに雨漏りしている場合

雨漏りが外壁の要因で発生している場合は、すでに雨水の侵入経路ができてしまっている状態になります。外壁を塗装で覆っても、根本的な原因箇所(外壁のひび割れ、コーキングの劣化による隙間、防水シートの損傷など)が修繕されない限り、雨漏りは再び発生する可能性が高いでしょう。

・大きなひび割れ

外壁に発生したひび割れが幅0.2mm以上、または深くまで達している場合は、通常の塗装だけではひび割れを完全に埋めることができません。
このような大きなひび割れに対しては、専門的な補修方法が必要となります。例えば、Uカットシーリング工法では、ひび割れ部分をU字型にカットし、シーリング材を充填することで水の侵入を防ぎます。また、エポキシ樹脂注入は、ひび割れ内部にエポキシ樹脂を注入し、ひび割れを内部から固めて補強する方法です。これらの適切な補修を行うことで、雨水の侵入を確実に防ぎ、建物の耐久性を維持することができます。

・コーキング(シーリング)の著しい劣化

コーキングが完全に切れていたり剥がれていたりする場合には、塗装を行う前に必ずコーキングの打ち替えが必要です。打ち替えを行わないと、防水効果は期待できません。
多くの塗装業者は、塗装工事と合わせてコーキングの打ち替えも行っていますが、別途費用が発生することが一般的です。

・外壁以外の原因による雨漏り

雨漏りの原因が外壁そのものではなく、屋根の損傷や瓦のズレ、雨樋の詰まりや破損、ベランダの防水層の劣化といった、外壁以外の箇所にある場合には外壁塗装だけを行っても雨漏りを直すことはできません。雨漏りの原因を特定し、適切な修理を行う必要があります。

・施工不良に起因する雨漏り

外壁の裏側にある防水シートや防水テープの施工にミスがあった場合、例えば防水シートの破れや重ね合わせ不足、固定不良があったりすると、そこから雨水が侵入して雨漏りの原因となります。
このような根本的な施工不良が原因で雨漏りが発生している場合、外壁表面を塗装することで雨水の侵入経路を一時的にふさぐことができる可能性はありますが、すぐに雨漏りが再発する可能性が高いでしょう。外壁を取り外して防水シートの再施工や適切な補修が必要となります。

・雨漏り修理と外壁塗装、どちらを先に行うべき?

もしすでに雨漏りの症状が見られる場合は、必ず雨漏り修理を先に行いましょう。
雨漏りの原因箇所を特定し、そこをしっかりと補修してから外壁塗装を行うのが正しい手順です。原因を放置したまま塗装をしても、雨漏りは止まらず、むしろ塗装によって雨水の出口が塞がれ、壁内部の被害が拡大する恐れもあります。
専門業者に依頼して雨漏りの状況をしっかりと診断し、必要な修理を確認した上で外壁塗装の計画を立てましょう。

雨漏りを防ぐために!外壁の適切なメンテナンス方法

雨漏りは、発生してから対処するよりも、未然に防ぐことが最も重要です。大切なご自宅を長持ちさせるために、ご自身で日頃から目視で異常をチェックし、気になる箇所があれば山門業者に点検を依頼することが大切です。
ここでは、定期的に行うべき外壁塗装メンテナンスについてご紹介します。

・外壁塗装の適切な時期

外壁塗装は、おおよそ10年〜15年ごとに行うのが一般的ですが、使用している塗料の種類や立地条件によって耐用年数は異なります。
以下のような劣化症状が見られたら、塗り替えを検討するサインです。
チョーキング現象
ひび割れ(クラック)
塗膜の膨れ・剥がれ
カビや藻の発生
コーキングの劣化(ひび割れ、肉やせ)
これらのサインを見逃さず、適切なタイミングで外壁塗装を行うことが雨漏りの予防に繋がります。

・自分でできる初期チェックポイント

ご自身でも定期的に外壁の状態をチェックする習慣をつけましょう。
早期発見・早期対処が、結果的に修理費用を抑え、建物を長持ちさせる秘訣です。

✅目視で確認:外壁に目立つひび割れはないか、目立つ色あせやカビや藻の発生がないかなどを家の周りを一周して確認します。特に雨が降った後他の箇所に比べて乾きが遅い部分には要注意です。

手のひらで触れて確認:外壁表面を擦り、白い粉が付着する(チョーキング)と表面塗膜の劣化が進行している証拠です。

指で押して確認:シーリングのが硬化し弾力性が失われていないか、指で押したときの戻り具合で確認します。

雨樋の詰まりを確認:雨樋が落ち葉などで詰まっていると、雨水が溢れて外壁に直接かかり劣化を早める原因になります。定期的に掃除をしましょう。

・定期的な専門業者による点検の重要性

外壁の劣化具合を一般の方が正確に判断するのは困難です。そのため、5年〜10年に一度程度の専門家による定期点検が推奨されています。
雨漏りが発生する前に劣化のサインを発見し適切な対策を講じるためには、専門業者による定期的な点検が不可欠です。定期的な点検と適切なメンテナンスによって、建物の寿命を延ばすことができます。

まとめ

今回は、外壁塗装による雨漏り防止効果とその限界、修理方法などについて解説してきました。
外壁塗装は雨漏りの「予防」には効果的ですが、すでに発生している雨漏りを完全に止めるものではありません。雨漏りの根本的な原因を解決しない限り、再発のリスクは残ります。
ご自宅の外壁に気になる劣化症状があったり、雨漏りのサインが見られたりした場合は、決して放置せず、できるだけ早く専門業者に相談することが大切です。早期発見・早期対応が、建物のダメージを最小限に抑え、結果的に修理費用も安く済む可能性があります。
千葉県近郊で「どこに相談すれば良いか分からない」「まずは家の状態を見てほしい」という方は、ぜひ一度「オーネストリフォーム」にご相談ください。
オーネストリフォームでは雨漏り診断の専門知識を持つスタッフが、お客様のお住まいを丁寧に点検し、雨漏りの原因を的確に突き止めます。その上で、お客様のご要望やご予算に合わせた最適な修理プランと、建物を長持ちさせるための外壁塗装プランをご提案させていただきます。